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隠れた名曲紹介-エルガーの遊び心の中に感動的なメロディ [クラシック音楽(オーケストラ)]

イギリスの作曲家「エルガー」という作曲家は聞いたことが無い方でも「威風堂々行進曲第1番」という曲は様々な場面でお目にかかるのでご存知の方が多いと思います。(むかしマンガ「あたしンち」のテーマ音楽でも使われていました。)
そのエルガーの傑作の一つに「エニグマ変奏曲」という曲があります。「エニグマ」というのは「謎」という意味であり、エルガーはちょっとした遊び心でこの曲を作ったのですが、作品自体は非常に完成された素晴らしい曲です。この曲は一つのテーマから14の変奏曲で出来ているのですが、その14曲一つ一つに頭文字やニックネームが付いており「誰か」の名前をその曲にあてがっています。それが「謎」と言われる所以ですが、さらにもっと深い謎もある、と言う音楽学者もいるそうです。
エルガーエニグマCD.jpg
全曲で30分程度の曲なので、聞こうと思えば一気に聞けますが、ここはこの曲の中でも最も感動的な一つの変奏曲をご紹介します。
それは第9変奏の「ニムロッド」というニックネームの曲です。
それまではそこそこのテンポ、ピアノフォルテのバリエーションで彩られていましたが、この曲に入ると一転して厳かな気分に変ります。教会の中でパイプオルガンが鳴っているような神々しい雰囲気で静かに始まり徐々に盛り上がって、クライマックスでオーケストラ全体が鳴り響いた後また静かにこの曲を終わるという感動的な曲です。
初めてこの曲を聴く方は、逆にこの曲を先に聴いてから全曲を聴いても良いかもしれません。(普通のCDならばだいたい10番目のトラックに入っています。ただこの曲は変奏曲と言いながらすべてつながって演奏されますのでご注意ください。)
エルガーエニグマ譜面9ニムロッド.jpg
このニムロッドという名前は「旧約聖書の創世記に登場する『狩人』」から来ているとの事です。一般的にはこの曲はイェーガーという楽譜出版社の編集者の事を指しているらしく(ドイツ語で「イェーガー」は狩人という意味)、エルガーの擁護者であり親友だったそうです。なので感動的な力作になっているのでしょう。14人の変奏曲はそれぞれ個性的な変奏曲ですが、実は何を隠そうエルガー本人も最後の曲でE.D.Uという曲名で登場しています。そして華々しくこの曲は締めくくられています。やはり自分はカッコよく見せたいものですよね!!
このように「クラシックだからちゃんと1曲目から聴くべき」というような堅苦しい事は抜きにして好きな部分、有名な部分から聴く方がその曲への愛着も増します。
この曲は様々な有名な指揮者が録音していますが、やはりイギリスのオーケストラ(例えばプレヴィン指揮のロンドン交響楽団等)で聴いてみたいですね。
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