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オケでのゴールウェイ讃-作曲家別名演:メンデルスゾーン/シューマン [クラシック音楽(オーケストラ)]

1970年代初頭にグラモフォンが「有名作曲家の交響曲全集」を相次いで発売したのは以前にもここでご紹介しましたが、今回はその中からメンデルスゾーン、シューマンというロマン派ど真ん中の作曲家の演奏をご紹介します。
まず、メンデルスゾーンですが、5曲の交響曲のうち「ゴールウェイでない」のが第4番のイタリアだけでは無いかと思われます。他の4曲は恐らくゴールウェイです。
カラヤンメンデルスゾーン.jpg
この中で最もゴールウェイのサウンドが光っているのは「交響曲第5番「宗教改革」」に尽きます。
一番の聞き所は4楽章の冒頭です。3楽章から休み無く入ってくるのですが、いきなりフルート1本だけで讃美歌のコラールを吹くというメンデルスゾーンの作品としては意表を突く部分です。まさにゴールウェイが「朗々と」このコラールを吹きます。しかも他の楽器は皆さんお休みです。徐々に管楽器等が加わってきますが、しばらくはゴールウェイが中心になってこの曲を引っ張っていきます。
カラヤンメンデルスゾーンスコア.jpg
勿論他の楽章でもゴールウェイの活躍が随所に見られますが、「これぞゴールウェイ」という瞬間ですね。
他の曲では意外と第1番と言う若い頃の作品の中でゴールウェイトーンが目立ちます。
カラヤンは意外とメンデルスゾーンの作品を取り上げて無く、録音も恐らくここにある曲と「フィンガルの洞窟序曲」(これも多分ソロフルートはゴールウェイです)しか残っていないと思われます。

さて、シューマンですが、ここでは交響曲第1番の「春」だけがゴールウェイで無いと思われ、他は恐らくすべてゴールウェイの演奏だと思われます。
カラヤンシューマン.jpg
ただ、シューマンの交響曲のフルートの使い方は多少地味なのでゴールウェイトーンもそれほどパッとしません。
実は一番ゴールウェイが生き生きとした演奏は交響曲では無く「序曲、スケルツォとフィナーレ」という何となくシンフォニーっぽい曲がカップリングされており、これが素晴らしい演奏でした。結構フルートソロに目立つ部分が多く、伸びやかな演奏を楽しめます。
本当は交響曲第1番の「春」の4楽章にフルートのカデンツァ的なソロがあるのですが、これはどうももう一人のソロフルート「ブラウ」のようです。カラヤンも多少ブラウとのバランスを配慮したのでしょうか?
ベートーヴェンやブラームスとは違ったまろやかなロマン派交響曲でも、ゴールウェイの独特のサウンドは一層マッチしているのではと思います。

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東京寺社名駅散策-九品仏 [旅行記]

東京を中心とした首都圏には駅名に「寺社」が付いているところが比較的多くあります。
その駅と名前の寺社を訪問した際の写真をご紹介します。
まず「九品仏」です。そもそもこの読み方が分からない方も多いかもしれません。
「くほんぶつ」と言って本当の寺社の名前は「浄真寺」というお寺ですが、そこには3つのお堂にそれぞれ3体の仏様がまつられているので俗に「九品仏」という名前で呼ばれています。
早速九品仏駅に行くと、今では珍しい「ホーム長が足りなくて1両分ドアが開かない駅」でした。
自由が丘のすぐ隣の駅であり自由が丘駅からも楽に歩ける距離ですが、ここはやはり「九品仏駅」から行くことが礼儀では?と思います。若者で賑わう自由が丘と全く雰囲気が異なる静かな駅です。
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目的の浄真寺は駅を降りるとすぐに参道が見えてきます。この参道も非常に雰囲気の良い通りで、浄真寺の入り口に辿り着くと「九品仏浄真寺」という名前が凝った字体で書かれた門がお出迎えです。
九品仏02.jpg
中は非常に樹木が多く静かな「パワースポット」的なたたずまいで、自由が丘の賑わいがうそのようです。ここは「奥沢城」というお城の城跡でもあり、その案内のすぐ先に鐘楼がありました。
ここはいつでも静かできれいなのですが、とにかく行くとしたら「紅葉」の季節です。モミジ、イチョウが実に見事に色づきます。
九品仏03.jpg
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都心に近く秋ではまだ暖かいので紅葉の季節は12月に入ってすぐの頃が一番の見ごろです。
ここの紅葉を見て本堂にお参り、そして9体の仏様にもご挨拶をして、参道出口そばにある「蕎麦屋」で「お蕎麦」を食するのが家内とのルーティーンになってしまいました。
日光等にわざわざ出かけなくてもこんなに綺麗な紅葉が見られるのであれば十分のような気がする九品仏でした。

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隠れた名曲紹介-エルガーの遊び心の中に感動的なメロディ [クラシック音楽(オーケストラ)]

イギリスの作曲家「エルガー」という作曲家は聞いたことが無い方でも「威風堂々行進曲第1番」という曲は様々な場面でお目にかかるのでご存知の方が多いと思います。(むかしマンガ「あたしンち」のテーマ音楽でも使われていました。)
そのエルガーの傑作の一つに「エニグマ変奏曲」という曲があります。「エニグマ」というのは「謎」という意味であり、エルガーはちょっとした遊び心でこの曲を作ったのですが、作品自体は非常に完成された素晴らしい曲です。この曲は一つのテーマから14の変奏曲で出来ているのですが、その14曲一つ一つに頭文字やニックネームが付いており「誰か」の名前をその曲にあてがっています。それが「謎」と言われる所以ですが、さらにもっと深い謎もある、と言う音楽学者もいるそうです。
エルガーエニグマCD.jpg
全曲で30分程度の曲なので、聞こうと思えば一気に聞けますが、ここはこの曲の中でも最も感動的な一つの変奏曲をご紹介します。
それは第9変奏の「ニムロッド」というニックネームの曲です。
それまではそこそこのテンポ、ピアノフォルテのバリエーションで彩られていましたが、この曲に入ると一転して厳かな気分に変ります。教会の中でパイプオルガンが鳴っているような神々しい雰囲気で静かに始まり徐々に盛り上がって、クライマックスでオーケストラ全体が鳴り響いた後また静かにこの曲を終わるという感動的な曲です。
初めてこの曲を聴く方は、逆にこの曲を先に聴いてから全曲を聴いても良いかもしれません。(普通のCDならばだいたい10番目のトラックに入っています。ただこの曲は変奏曲と言いながらすべてつながって演奏されますのでご注意ください。)
エルガーエニグマ譜面9ニムロッド.jpg
このニムロッドという名前は「旧約聖書の創世記に登場する『狩人』」から来ているとの事です。一般的にはこの曲はイェーガーという楽譜出版社の編集者の事を指しているらしく(ドイツ語で「イェーガー」は狩人という意味)、エルガーの擁護者であり親友だったそうです。なので感動的な力作になっているのでしょう。14人の変奏曲はそれぞれ個性的な変奏曲ですが、実は何を隠そうエルガー本人も最後の曲でE.D.Uという曲名で登場しています。そして華々しくこの曲は締めくくられています。やはり自分はカッコよく見せたいものですよね!!
このように「クラシックだからちゃんと1曲目から聴くべき」というような堅苦しい事は抜きにして好きな部分、有名な部分から聴く方がその曲への愛着も増します。
この曲は様々な有名な指揮者が録音していますが、やはりイギリスのオーケストラ(例えばプレヴィン指揮のロンドン交響楽団等)で聴いてみたいですね。
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地下鉄の終端は微妙!!(東京メトロ編) [鉄道一般]

以前同名の題にて都営地下鉄編をご紹介しました。今回は東京メトロをご紹介します。
終端としての定義を勝手に以下のようにしてみました。
・他の鉄道との乗り入れをしていない終端駅
・地上に出ている駅
この2つを定義しておかないと、「終端」のイメージが湧いてこないと思われます。地下駅でもいいのですが、駅としての個性、差別化が難しくなってきます。
そうなると、この2つに合致する駅は非常に少なくなってしまいます。
銀座線の渋谷駅、日比谷線の中目黒駅、有楽町線の新木場駅ぐらいになってしまいます。銀座線と丸ノ内線は第3軌道という線路の横にもう一本レールを引いてそこから集電するのですが、こうなると一般鉄道との乗り入れができないため終端イメージは確立するのですが、渋谷駅以外の終端駅はすべて地下駅なので似たり寄ったりになってしまいます。
渋谷駅はまさに今大工事中で、もうすぐ新たな姿を見せる事でしょう。
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この渋谷駅の奥には待避線があるのですが、さらに奥にはちょっとした点検が出来る車庫もあるそうです。
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日比谷線の中目黒はかつて東急東横線と乗り入れていたのですが、副都心線との乗り入れ工事が完了した時点で日比谷線の乗り入れが終了し、終端駅としての位置付けに返り咲きました。
地下鉄日比谷線02.jpg
この待避線は従来からあったのですが、心なしか手前のポイントの東横線からの進入レールは錆びているようにも見えました。
地下鉄日比谷線01.jpg
そして、有楽町線の新木場駅は他に「JR京葉線」「臨海鉄道線」も含め3つの鉄道が集合しているのですが、珍しくどの鉄道もお互いに乗り入れせずに個別の運用となっています。有楽町線は逆側の行き先が東武東上線と西武池袋線に分かれており、さらに池袋で副都心線とも合流しているのでこれ以上乗り入れを増やすと様々な混乱を招く事にもなってしまうのでしょうか。
地下鉄有楽町線02.jpg
この待避線のさらに先に行くと有楽町線の操車場があるそうです。
地下鉄有楽町線01.jpg
これでおしまい、と思ったら、意外なところに一つ「終端駅」がありました。
千代田線の支線になる「北綾瀬駅」です。この駅は東京メトロの綾瀬駅から綾瀬操車場に行く引き込み線の途中に地元住民の要望にて誕生させたとの事で、ある意味立派な「終端駅」です。一度お邪魔したことはあったのですが残念ながら北綾瀬駅の画像は無く、綾瀬駅0番線から出発する電車の写真はありました。(ホームドアが邪魔ですが!)
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今は3両編成の電車が一駅を行ったり来たりしているのですが、北綾瀬駅の10両化ホーム工事が決まったらしく、北綾瀬始発の千代田線代々木公園方面行きがそのうち出来るとの情報がありました。
なにはともあれ、東京メトロは地下鉄としての独自性よりも他社線との乗り入れの利便性に注力した結果がこのような事になったのでしょう。
ただ、心配なのは今後オリンピック等で海外の観光客が増える一方で「どこにどう行ったらいいのか?」というガイド的なサポートが追い付いてけるのかという不安があります。さらにこれに前回の「都営地下鉄」が絡んでくるので東京の地元人間でも混乱しそうですね。

一応銀座線、丸の内線以外の終端をご紹介しておきます。
これ以外の区間を走っている地下鉄の電車は「乗り入れている=ほかのオウチにお邪魔している!」という事です。
日比谷線:中目黒-北千住
東西線:中野-西船橋
千代田線:代々木公園-綾瀬(支線:北綾瀬)
有楽町線:新木場-和光市
半蔵門線:渋谷-押上
南北線:目黒-赤羽岩淵
副都心線:渋谷-和光市

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オケでのゴールウェイ讃-作曲家別名演:チャイコフスキー [クラシック音楽(オーケストラ)]

カラヤンは殊の外チャイコフスキーがお好きなようで、しょっちゅう録音をしていたようです。特に交響曲の第4~6番は何回も録音しており、1971年頃EMIで録音した演奏にゴールウェイが参加していました。
ゴールウェイがソロを吹いているのは第4番と第5番であり、特に第4番は結構フルートの目立つところが多いのでゴールウェイの面目躍如ぶりがよく発揮されています。
チャイコ4カラヤン.jpg
一般的にもこのカラヤンの交響曲第4番の演奏は他のカラヤンの演奏だけでなく世の中に出ている同曲の数多くの演奏でもかなり高評価を得ているようで、これだけの熱気を持った演奏は他にない、との評判です。この録音については「録音に多少の歪み的な部分もある」とわざわざCDにも注意書きが書いてあるのですが、それでもチョイスされるほどの名盤との事です。
各楽章それぞれフルートの目立つ部分が随所にあるので結構聴き甲斐があります。(私もアマオケでこの曲のトップを一度演奏しましたが、難しいもののやりがいのある曲でした!)

他にはグラモフォンに録音された「白鳥の湖」はゴールウェイの演奏で、さらにはオムニバスCDの中に入っている歌劇「エフゲニー・オネーギン」の「ポロネーズ」と「ワルツ」もゴールウェイの音が時折聞こえます。

ところで、このエフゲニー・オネーギンのポロネーズという曲の最初の部分をを聴いてみると、「あれ?どこかで聞いたことがあるぞ」と思う方もいらっしゃると思います。
そうなんです、「すぎやまこういち」さんの作った「ドラゴンクエスト」の起動時の音楽とそっくりの音型なのです。ちょっと聞いてみてください。
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名演奏の発見-内田光子のモーツァルト協奏曲 [クラシック音楽(オーケストラ)]

以前はこの「内田光子」というピアニストをそれほど意識していませんでした。
日本だけでなく世界で活躍している日本人アーティストとしては理解していましたが、特に好き嫌いもなく放っておいたような存在でした。
ところが、ある時「Mozart on Tour」というブルーレイ映像を買って漠然と流していたら、この内田光子の演奏する「モーツァルト ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」」を聴いて思わず目を見開いてしまいました。特に第3楽章の冒頭です。その歯切れの良さ、軽快さ、爽快感。バックはジェフリー・テイトの指揮によるザルツブルグ・モーツァルテウム合奏団によるものですが、あまりの内田の快走についていくのに必死な演奏でした。これを聴いてそれまでも多少気に入っていたこの曲がモーツァルトのコンチェルトとして最高の番付になってしまい、さらには「内田光子」というピアニストを再認識してしまいました。
では、という事で彼女の2回録音されたCDを購入したのですが、演奏そのものは良かったもののこの映像での演奏に勝るものではありませんでした。(ジェフリー・テイト/ヨーロッパ室内管弦楽団版と内田光子ピアノ・指揮兼務のクリーブランド管弦楽団版)どちらもややおとなしめの優等生的演奏なので、この人は恐らく「本番での演奏」に真価を見いだせる人なのかなという気がしました。
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この「モーツァルト・オン・ツアー」という映像は以前NHKのEテレでも一部放送され、なかなか良い番組と思っていたのですが、まさかこんな名演が収められていたとは思ってもいませんでした。
この番組はアンドレ・プレヴィンが監修しており、自身も指揮、ピアノの演奏もしてたり、また当時の若手有名ピアニストを惜しげもなく使っていたので、これは「ぜひモノ」です。
ただ大問題が一つ。ブルーレイディスクでは「日本語字幕が無い」のです。(DVD版ではあったらしいのですが。)演奏そのものは字幕不要ですが、そもそもモーツァルトの生涯で各地に旅をした事をテーマとしてそれぞれの場所での解説つきの映像なので、いくら「英語の勉強になる」と言っても限界が、、、。
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引き出しの奥底にあったポジフィルムの復元! [ローカル線]

引き出しを整理していたら奥底に小箱を見つけ、開けてみるとポジフィルムが入っていました。
今やデジカメが写真撮影の主流となってしまいましたが、数十年前はフィルム時代で、しかも「ネガフィルム」と「ポジフィルム」という2つに分かれていました。当時は圧倒的に「ネガフィルム」による「焼き増し」というのが一般的でしたが、投射機で映写する「スライド」と呼ばれるフィルムもなかなか根強い人気がありました。ただ現在に至っては、焼き増しの写真はスキャナで読み取れますが「ポジフィルム」からのデジタル化はかなり難儀であり、結局業者に任せることにしました。
そこに映っていたのは前回もご紹介した「九州SLの旅」の追加撮影でした。そういえば本格的な一眼レフの他に初心者用のハンディカメラも持っていったことを思い出しました。
いくつかご紹介しますが、やはり50年近く前のフィルムなのでかなり質感が悪く、きれいなカラーで出ていませんでした。これは肥薩線のD51です。
肥薩線D51.jpg
やはりSLではカラーの威力がうまく表現できないようですね。そういった意味ではカラフルな特急列車はカラー撮影でそれなりの効果が出ていました。
これはブルートレイン「彗星」号の後ろ姿です。
ブルートレイン彗星01.jpg
さらに「にちりん」というディーゼル特急で、いわゆる「国鉄特急色」を使っています。
日豊線にちりん.jpg
実は、この旅行に出発する時に品川駅近辺でかなり昔の「湘南電車」が止まっていたので電車の中から撮影したのですが、この写真が一番カラーとして真っ当な映像でした、、、。
湘南電車01.jpg
当時はカラーフィルムの現像、焼き付けも白黒に比べて非常に高価で、親に何枚も焼き増しを頼むのもはばかったので「ポジフィルム」で投射するだけの画像にした覚えがあります。
今回の業者依頼の手間等を考えると、トータルコストとしてどちらがお得だったかは微妙です、、、、。
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オケでのゴールウェイ讃-作曲家別名演:フランス系作曲家の作品 [クラシック音楽(オーケストラ)]

以前ベルリンフィルでのゴールウェイお勧め演奏の中で「ビゼー作曲アルルの女組曲」をご紹介したと思います。そういった意味では他にもフランス音楽の名演があると思いきや、意外と少ないのです。
カラヤンビゼー.jpg
ビゼーと同じ世代で言うとグノーの「ファウスト バレエ音楽」があり、これはそこそこゴールウェイの音は感じられますが、やはり同じ世代のオッフェンバックの「パリの賑わい」では曲全体がお祭り騒ぎになっているのでフルートの煌びやかなソロがあまりないのです。
そんな中で結構目立つのがベルリオーズの「幻想交響曲」です。
カラヤンベルリオーズ幻想.jpg
後半4楽章、5楽章はやはりどんちゃん騒ぎが多いのですが前半の3つの楽章、特に第3楽章はゴールウェイの音がしっかり浮き出ています。(蛇足ですが、この録音は第1楽章でティンパニが思いっきり間違えているにもかかわらずテイクされた面白い録音です。)これらの曲は複数録音されているのでぜひゴールウェイ在籍時の録音年代を確認された方が良いです。
ちょっと意表をつくのはフランクという人が作曲した「交響的変奏曲」もチラホラゴールウェイトーンが聴けます。このフランクは本来はベルギー人ですが、カテゴリー的にはフランス音楽に含んでいる場合が多いようです。
カラヤンフランク交響変奏.jpg
実はカラヤンのレパートリーでもしっかりある「ドビュッシー」「ラヴェル」の録音が全く残されていないのです。これもドヴォルザークの8番交響曲と同じでたまたまゴールウェイが在籍していた時に録音の機会がなかっただけで、その前後にはそれぞれ録音が残っているので大変残念です。
当時のベルリンフィル・クラリネットソロ奏者のライスターが自分の著書で「ある時ドビュッシーの『牧神の午後』をゴールウェイがソロを吹いた時に鳥肌が立つぐらい素晴らしい演奏だった。」と書いていたのを覚えており、本番演奏では間違いなくこの「牧神」はやられていたと思われます。1970年のベルリンフィル来日の時にラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲をやっているので、これも多分間違いなくゴールウェイでしょう。(その時私は別の日のドヴォルザーク8番を聴いたのですが、欲を言えばこっちも聴きたかった!!)
ドイツ、ロシア系音楽とは違った流麗なフランス系の曲はゴールウェイに合っているかもしれません。

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隠れた名曲紹介-ラフマニノフの「もの哀しく」「酔いしれた」交響曲 [クラシック音楽(オーケストラ)]

「隠れた名曲」シリーズですが、これからは「大交響曲」とは言え一つの楽章が素晴らしいものについても紹介していこうと思います。何も全曲通して聞かなくても十分魅力を味わえる曲がいくつもあります。
今回は名旋律の宝庫と呼ばれる「ラフマニノフ」です。
ピアノ協奏曲第2番があまりにも有名ですが、今回は交響曲第2番の第3楽章にスポットを当ててみました。この交響曲は全曲で1時間近くかかる大曲で、第3楽章は一般的に交響曲の楽章のカテゴリーで言うと「緩徐楽章」と呼ばれる静かで落ち着いた部分となります。
譜面ラフマニノフ交2-表.jpg
第3楽章の冒頭は弦楽器の艶やかなメロディで始まります。このテーマが第3楽章全体を通して根底に流れています。そしてひとたび落ち着くとクラリネットが新たなメロディを澄み渡った空気の中の一条の光的に流していきます。まさにここは「クラリネット」でなければ、という素晴らしいアンサンブルです。オーボエでもフルートでも、ヴァイオリンソロでも何となく雰囲気が合いません。このメロディは正直言って「とても覚えやすい」とは言えませんが、ラフマニノフらしい切々とした「もの哀しい」訴えが響いてきます。
譜面ラフマニノフ交2-3.jpg
そしてクラリネットのソロが終わると弦楽器のアンサンブルがそれを引き継いでさらに流れていきます。少しずつ波が強くなったり弱くなったりしながら盛り上がっていき、最後はまた静かな境地で落ち着いて終わります。この楽章だけで約15分かかりますが、それほどの長大さは感じさせません。
この曲の冒頭部分は確かコーヒーか何かのCMのバックで流れていましたが、やはり「落ち着くための商品」のCMには持ってこいの曲ですね。この曲も以前に比べると少しずつ人気が出てきたのでCDでも様々な演奏が出てきています。有名なのはプレヴィンの指揮による演奏でしょうか。

実はアマチュアオケ時代にもこの曲を演奏するチャンスに恵まれました。
演奏している自分たちもこの第3楽章はその雰囲気に「酔いしれて」しまっていました。
ところが、プロのオケ奏者でもある常任指揮者から「この交響曲は変な曲で、自分たちが「いいな」と思って演奏した時は聴衆からの反応はあまり良くなく、逆に「こんな演奏で感動されてしまったのか?」というようなパターンが往々にしてある曲だよ」と言われ、ふ~ん?と感心してしまいました。
えっ、という事は、自分たちが「酔いしれていた」、、、答えは明確ですね、、、。



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五色不動尊:目黒(不動前)-NHKバラエティ番組で知識向上! [旅行記]

お待たせしました!五色不動尊の中でも最も華やかな「目黒不動尊」です。
NHKの「ブラタモリ」の番組でこの「目黒」を取り上げられたとき、「目黒不動尊は江戸のリゾート地」というお題目でした。この不動尊には様々なご利益の仏閣等があるだけでなく、訪れる参拝客目当てに様々な商店が参道に軒を連ねていたようです。また最近の同じくNHKの「日本人のおなまえ!」でもこの目黒の黒は田んぼの畔を「くろ」と読んだ事から来ているとのお話もありました。どこまで真実かは別として、何となく面白く拝見しておりました。
さて、早速目黒不動尊に行きますが、駅で言うとやはり東急の「不動前」になります。
前回の「目青」の三軒茶屋から移動するには意外と面倒で、直線距離はそれほど遠くないのですが電車だと最低2回は乗り換えなくてはなりません。
小さな駅前商店街を抜けだらだらとした傾斜の少ない坂道を登っていくと「やつ目の西村」という鰻屋がもうもうと煙を出しながら通りがかりの人にも焼いている姿を見せています。この鰻屋はよくウナギの稚魚が減少した時の鰻屋側の立場としてのインタビューをテレビ局から受けている店です。
その鰻屋の角を曲がると大きな仁王門。ここのお寺は「瀧泉寺」という天台宗のお寺です。
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その先には「男坂」と言われている階段があり、常緑樹に覆われた先に本堂が見えます。
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坂を上がるとどーんと本堂がお出迎え。五色不動尊の中で最も大きな存在感です。
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大晦日の夜は初詣客でごった返しています。これはまさに12月31日11:59分頃の写真です。
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春は桜がキレイに咲き誇ります。
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もしこの時期に目黒不動にお越しならば、帰り道はぜひ「かむろ坂」からお帰り下さい。桜のアーチが見事で、近隣の「目黒川の桜」に勝るとも劣らない風景です。
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先ほどの鰻屋を曲がらずに仁王門を背にしたまままっすぐ坂を上り、最初の信号がそのかむろ坂との交差点です。
今回は地元という事もあって写真大サービスでした!!



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